土地・建物の登記
売買による所有権移転登記
住宅のご購入は、おそらく人生で一番大きな買い物になると思いますが、何度もあることではないだけに不安をお持ちの方も多いかと思います。
ここでは、皆さんの住宅のご購入の過程で司法書士がどのような役割をしているのかをまず説明いたします。
土地や建物を購入される際には、代金を支払ったらその登記(登記名義の変更という言い方をする場合もあります)を速やかにする必要があります。
登記をするというのは法務局にに備えられている登記簿にご自身が所有者となったことを登録するという意味合いです。
なぜ登記が必要かというと、買主が代金を支払って引き渡しを受けたとしても、登記をする前に売主が別の人に二重に売却して登記されてしまったり、売主の債権者に差し押さえを受けてしまった場合には、法律上買主は自分の所有権を主張することができなくなってしまうからです。
司法書士は、この登記手続きを、売主・買主の双方の代理人として所有権移転の手続きが正しく行われたことを確認しながら、その内容を正確に登記簿に反映させる手続きを致しております。
【不動産売買の立会い決済】
たとえば中古マンションを購入される場合を例にとると、まず手付金を支払って売買契約を締結し、残代金の支払いと不動産の引き渡しの日(決済日)を決めます。
また、登記手続きを依頼する司法書士を決めることになります。
買主となる方は、決済日までに購入資金の手当て(多くの場合は銀行で住宅ローンを借り入れる手続き)を準備し、売主は住宅ローンが残っていればその返済の準備(具体的には銀行へ繰り上げ返済の申し出をして、決済当日にローンの残額を返済すると同時に抵当権の抹消に必要な書類を受け取れるように手配します)
司法書士はその間に、ご購入物件の登記簿を確認し登記上問題がないか否かを確認すると共に、買主に融資する銀行と住宅ローンの内容や設定する抵当権の内容を確認し、また売主の抵当権抹消に必要な書類が当日確実に受け取れるか売主の借入先銀行の担当者に確認し、また、売主の現住所が登記簿の記載と異なっている場合は、住所変更登記に必要な書類を確認・指示したり、決済当日にすべての登記手続きがスムーズに行くように綿密な準備を進めます。
そして最終代金の支払日(決済日)当日には、まず法務局で当日の登記簿に問題がないかを確認した後、残代金の支払いの場に立会い、売主買主の両当事者、対象の不動産、名義書換の必要書類を確認して間違いなく買主に名義書換ができること判断したら、残代金の支払い・購入代金のための融資の実行についてゴーサインを出します。
そして、代金の支払いが間違いなく行われたことを確認して登記の申請手続きをします。
また、その際に登記手続きの説明や、登記後に法務局から発行される書類(以前は「権利証」でしたが現在は「登記識別情報通知」の説明もさせていただいております。
【仲介業者を使わずにお知り合い同士、身内同士で不動産を売買したい方へ】
お世話をしてくれる立場の人が存在しないのですから、売買契約から代金決済・引き渡しまでの流れや必要な書類などご不明な事も多いかと思います。
たとえば、売買契約書はどうなふうに作ればいいのか?、その通数は?、契約書に貼る収入印紙の金額は?、不動産取得税はどうなるの?など、いざとなるとわからないことが次々に出てきたりします。
当事務所では、売買契約書の作成から、固定資産税の清算のやり方や必要となる書類書類の作成をはじめ登記手続きに至るまで、仲介業者を立てない売買に関する手続のサポートをしております。
また、不動産取得税額の試算もいたしておりますので、お気軽にご相談下さい。
売買の登記の登記費用について
【登記費用】
売買の登記にかかる費用は、【法務局に収入印紙で納める登録免許税等の実費】と【司法書士の手数料】からなります。
売買の登記費用は、不動産の固定資産評価額や不動産の数(敷地の土地の筆数、私道や集会所などの共有持分の有無)によって変わります。その他にも決済の場所や個別の事情により費用が発生する事もあります。
【住宅用家屋証明書と登録免許税の軽減税率について】
売買の登録免許税の税率は、土地ついては固定資産の評価額(マンションの底地の場合は評価額×持分割合)の15/1000、
建物については固定資産の評価額の20/1000が基本となります。
また、住宅ローンの抵当権設定登記の登録免許税率は、債権額の4/1000が基本です。
但し、下記要件を満たす場合は、登録免許税額の軽減が受けられます
?自己居住用の住宅であること
?建物の床面積が、登記簿上50?以上であること
?建物が、鉄筋コンクリートで25年以内、木造で20年以内であること
(但し、耐震の証明書の添付がある場合は築年数の要件は緩和されます)
この要件を満たす場合には、自治体でその旨の証明書(※1:住宅用家屋証明書)を取得し、登記の申請書に添付することにより
建物の売買の登録免許税が3/1000に、抵当権設定の登録免許税率が1/1000になります。
下記の登記費用の例は、登録免許税の軽減を受けられる場合の、当事務所の基準による一般的な取引の場合です。参考にしてみてください。なお、仲介業者がなく売買契約書の作成等が必要な場合は、別途費用を申し受けます。
(例)マンション(敷地権1筆)
(自己居住用不動産で登録免許税の軽減が受けられる場合:築年数等の制約があります)
専有部分固定資産評価額 700万円
敷地持分の固定資産評価額 800万円
住宅ローン(抵当権設定) 3000万円(1件) の場合
項目 | 【手数料】 | 【登録免許税・印紙代(実費)】 |
所有権移転登記(売買・決済) | 58,140円 | 141,000円 |
抵当権設定登記(債権額3,000万円) | 35,500円 | 30,000円 |
住宅用家屋証明書取得手続(※1) | 5,000円 | 1,300円 |
登記事項証明書(事前1通・完了後2通) | 3,000円 | 1,800円 |
手数料合計(税抜き) | 101,640円 | |
消費税(10%) | 10,164円 | |
合 計(税込み) | 285,904円 |
詳細な登記費用の見積をご希望の方へ
詳細な登記費用を計算するためには、下記の書類が資料として必要となりますので、ご用意の上、ご連絡ください。売買契約に売主が指定する司法書士を利用しなければならない旨の取り決めがある場合や住宅ローンを借り入れる金融機関の指定の司法書士を利用しなければならない場合がございますので事前ご確認ください。
必要な資料・情報
1.登記簿謄本
2.売買契約書
3.住宅ローンの内容
4.固定資産評価証明書